日本語の翻訳がやたら難しい理由を解説、その対策も。

ツール

「英語→日本語にしただけなのに、なんでこんな変な日本語になるの?」ってときあるでしょ。AI翻訳でもそうだし、人が訳しても「あれ、これ何を言いたかったんだっけ?」ってなるやつ。
あれはね、日本語が“性格がいいけど面倒な子”だからなのよ。空気を読める代わりに、情報をほとんど空気に投げちゃうの。そりゃ機械も人も困るわよね、って話をしていくわ。


主語をサボりがち問題

英語:I sent the file to him.
日本語:ファイル送っといたよ。

ねえ誰が?どこに?ってなるでしょ。日本語って、話す側も聞く側も「今の文脈なら分かるでしょ」で主語を省略する文化なのよ。
翻訳って本来「書いてある情報をすべて別の言語に移す」作業なのに、日本語はそもそも書いてないことが多い。機械からすると

誰が送ったのか情報がないので翻訳できません(でもなんとかしろと言われている)

って状態。これがまず1つ目のめんどくささ。


敬語・ていねい語・謎のやわらかさがある

日本語って「する」「します」「させていただきます」で温度が変わるでしょ。
英語で “We finished.” の一択な場面でも、日本語になると

  • 終わりました。
  • 終わりましたのでご報告いたします。
  • 無事完了いたしました!

って、語尾で空気を整えるのよ。
ここを機械がやると、

このタスクは完了しましたのでお楽しみにしてください。

みたいな、なんか明るいのか怖いのか分からない文になる。
つまり日本語は「意味」だけじゃなくて「対人距離」も同時に訳さないといけないから難しいのよ。誰に言ってるかで訳し分けるとか、人間でもめんどくさいんだからAIにはそりゃハードモード。


漢字・ひらがな・カタカナの三刀流

日本語って、一文の中に

  • 漢字(意味ががっちりしたやつ)
  • ひらがな(やわらかいとこ)
  • カタカナ(外来語とか強調)

が全部混ざるでしょ。これが訳すときに情報量を増やすのよ。

たとえば
「サーバーを落とさないよう確認しました」

「サーバーを落とさないよう念のため確認しました」
って、言葉をちょこっとひとつ足すだけで“ちょっと慎重にやりましたよ”が出る。
こういう“ニュアンスの足し算”を全部他の言語に移すのはむずかしい。逆に英語から来た文章を日本語にするときも、「ここカタカナにしとく?和訳しちゃう?」で悩む。だから訳文がふわっとする。


一文が伸びると誰が何したか迷子になる

日本語の悪いクセで「、」が3回を超えたあたりから誰が何をしている文章なのか分からなくなる問題があるのよ。

本日お送りした資料ですが、昨日お伝えした仕様が一部変わっておりますので、ご確認のうえお返事いただけますと幸いです。

これを英語にそのまま持って行こうとすると、「資料」「仕様が変わった」「確認して」「返事して」が全部詰め込まれてるから、どこを主に言いたいのか決めないと訳せない。
翻訳としては「短く切ってくれたらもっとキレイに訳せるんだけどな…」ってずっと思ってるはず。日本語って長文でも息継ぎできちゃうから、つい詰めちゃうのよね。


カギになる“前提”が文の外にある

日本語って文の外にある情報をめちゃくちゃ信頼してる文化なの。

  • 会話の相手が誰か
  • どの会社のルールで話してるか
  • どの場面の話か(昨日のミーティング?契約?ただの雑談?)

これを全部「分かってる前提」でしゃべるから、翻訳だけポンと渡されると「え、これ怒ってる?褒めてる?」が分からない。
たとえば「ご対応ありがとうございました」なんて、前後の文脈で喜んでることもあれば「もうこれ以上はやらなくていいです」って意味のときもあるでしょ。これを“どっちにも取れないようにする”のが翻訳の難しさなのよ。日本語、ちょっと奥ゆかしすぎ。


外来語をそのまま使うかどうかでブレる

英語を日本語にするときって、

  • そのままカタカナにする(エビデンス・フィードバック)
  • 日本語に置き換える(証拠・意見)

の2ルートがあるんだけど、どっちを選ぶかで印象が変わるのよね。
「この件のエビデンスをください」だと社内っぽくて、「この件の証拠をください」だとちょっと刑事ドラマになる。
翻訳はここを毎回選択しないといけない。つまり日本語は「正しさ」より「場に合ってるか」のほうを見られるから、それが難易度を上げてる。


じゃあどうすればいいの?

ここまで言うと「日本語めんどくさすぎでは?」ってなるけど、対処法はそんなに難しくないわ。

  1. 元の日本語を短くする(、を減らす)
  2. 主語と目的語をちゃんと書く(誰が・何を)
  3. 対象の相手(お客さん/上司/SNS)を意識して語尾を決める
  4. カタカナと日本語どっちを使うか自分でルールを持つ

こうしておくと翻訳ツールも素直に動くし、人間が直すときも楽。要するに「空気を文章の中に戻せばいい」のよ。空気を伝えるのが得意すぎるせいで、文章から空気が抜けてたってだけだから。


まとめ(日本語はモテるけど手がかかる)

日本語の翻訳が難しいのは、言語としてダメだからじゃなくて、「相手に合わせる機能」が強すぎるからなの。誰にでも合わせられる子ってモテるけど、扱う側は細かい気遣いがいるでしょ。日本語もそれ。

だからあなたが翻訳にかける前にちょっとだけ、

これ誰に言ってるの?
誰がやった話?
ほんとにこの長さいる?

って整えてあげると、AIでも人でもきれいに訳しやすくなるわ。

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